平川市で活躍中の広報リーダー
19世紀、フランスにジュール・ヴェルヌという男がいた。彼は、人類が成し遂げるべき未来を想像し、その可能性を物語にした。『海底二万里』『八十日間世界一周』『地底旅行』など、彼の作品は単なるフィクションではなく、科学と冒険の融合による未来の提示だった。彼のように、常識の枠を超え、新たな可能性を切り開く人物が現代で活躍している。それが、株式会社タカシンの畠山哲充である。
青森にある株式会社タカシンは、電子機器製造受託(EMS)事業、成型・金型・金属加工事業を行う電子精密機器の総合企業である。セキュリティ管理された9箇所の生産拠点を持ち、国際規格準拠の品質マネジメントを実施。熟練の技術スタッフによる高精度な作業と厳格な品質管理体制のもと、多様な製造プロセスを一貫して提供している。また、自社製の生産管理システムを活用し、情報の集約と分析を行いながらワークフローの最適化をも推進している。
青森の地で生まれ育ち、バスケットボールを通じて鍛えられた精神とチームワークを武器に、タカシンというフィールドで活躍を続けている畠山。個の力を超えた、組織全体のために動くという決意を抱く彼はまさに「知恵と行動力」を体現する人物であるといえよう。
愚痴は「チャンス」
タカシンが今日の規模へと成長するまでには、幾度となく困難が立ちはだかった。2008年のリーマンショック、東日本大震災、そしてコロナ禍。どの試練も企業の存続を揺るがすほどの衝撃だった。しかしタカシンはそこで立ち止まることはなかった。リーマンショックの際には、景気に左右されにくい医療関連事業へと事業領域を拡大。震災の際には、仙台工場の復興へ向けて後方支援に尽力した。
畠山は、会社が進める組織変革の中で、特にバックオフィス業務の合理化と情報共有の改善に尽力した。総務グループ時代には、社員情報の管理をExcelや紙からデジタル化し、システム化を主導。もちろん反発もあった。多方面の業務を細部まで理解しなければ、DX化はなし得ない。当時細かな点まで理解が及ばず、エラーが起こってしまったこともあったと語る。しかし「愚痴はチャンス」という哲学のもと、現場の課題をひたすらに洗い出し、改善を積み重ねたのである。
そして業務の属人化を排し、情報を一元管理することで、組織全体の生産性を飛躍的に向上させた。人事システムの刷新を行い、総務部門だけでなく、各製造現場もそのシステムを活用することで、作業負担の軽減を実現した。
広報戦略という新たな挑戦
タカシンの強みは、単なる受託製造にとどまらず、最先端の技術と品質管理による「高精度なものづくり」にある。ISO9001、ISO13485、IATF16949などの国際規格を取得し、厳格な品質基準のもとで製造を行っている。さらに、環境負荷の低減を目的とした生産体制の構築や、社員の技能向上を支援する体制を整えている。
また、部門間の情報共有をオープンにすることで、作業者の負担軽減と生産性向上を図り、長年にわたり改善活動を継続している。このような体制のもと、コストパフォーマンスの高い製品を市場に提供し続けている。
2024年、畠山は新たな戦場へと足を踏み入れた。タカシンの広報グループの立ち上げである。これまで、品質と技術力において確固たる地位を築いてきたタカシンだが、企業の価値を社外に伝える戦略は十分に確立されていなかった。
「企業の価値は、社会に伝えなければ意味がない」そう考えた畠山は、企業PRの土台づくりに奔走した。SNSの運用、採用パンフレットの刷新、広報ブログの開設、PR動画制作の計画…総務の経験こそあれど、広報については全くの未経験。多岐にわたる広報施策を知恵と行動力で推し進め、今もタカシンのブランド力を強化している。「将来的には広報グループとして数名の採用も見込んでいます。もちろん充実していますがさすがに手広くしているので、今ちょっと大変ですね…(笑)」と畠山はわくわくしながら語っていた。
未来を見据えたタカシンの経営哲学
タカシンには「未来委員会」という組織がある。CSRやBCP(事業継続計画)を推進し、持続可能な経営を実現するための委員会だ。畠山はこの未来委員会を通じて、人材育成や組織文化の改革に注力している。
企業は単に利益を追求するだけでは存続できない。環境負荷の低減、地域社会への貢献、そして社員の成長を促進することで、持続可能な発展が可能となる。畠山は、この理念を深く理解し、周知活動を続けている。
ジュール・ヴェルヌが空想した未来は、やがて現実となった。畠山哲充もまた、タカシンの未来を切り開くために、知略と行動を駆使している。
「ひとりの力は小さい。だが、ひとりの力が集まれば、できることは無限に広がる。」彼の歩みは、まさにその言葉を体現していると言っても過言ではない。企業の発展のため、地域社会のため、そして働く人々のために。畠山哲充は、これからもタカシンという翼を広げ、さらなる高みへと飛び続ける。