八戸から発信する、人と企業の「幸せな循環」
かつてピーター・ドラッカーは「組織の目的は、凡人をして非凡なことをなさしめることにある」と説いた。組織の中で働く「人」が最大限の力を発揮できる環境を整えることこそが、経営の核心であるという意味だ。
青森県八戸市に拠点を置く島守経営労務事務所の代表、島守雅之氏は、まさにこの哲学を体現するスペシャリストである 。社労士・行政書士として、就業規則の作成から社会保険手続き、建設業・産業廃棄物処理業の許可申請まで幅広く手掛けるが、その活動の根底にあるのは「経営者も社員も、両方が良くなるためのバランス」を追求する姿勢だ 。企業が長く繁栄するために、どのようなバランスでアドバイスをすべきか 。島守氏の眼差しは、常に「企業の永続性」と「そこで働く人の幸せ」の両方に向けられている 。誰かが犠牲になるのではなく、全員が「Win-Win」になれる関係性こそが、彼の目指す事務所のこだわりなのだ 。
「人こそが企業の業績を左右する」
島守氏が自身の事務所を立ち上げたのは、2000年1月のことだった 。それ以前は行政書士事務所で5、6年ほど経験を積んでいたが、当時は資格そのものよりも
「これから何が社会に必要とされるか」という未来への展望が彼を突き動かしていた 。
「企業の業績に直結するものは人材であり、そこが一番大事になるだろう」
当時、島守氏が抱いたこの直感は、労働力人口の減少や価値観の多様化が進む現代において、揺るぎない真実となった 。意外にも、親族が同業だったわけではなく、たまたま就職した先でこの仕事に出会ったという島守氏 。
本人は「運が良かっただけ」と謙遜するが、資格者の話を真摯に聞き、
必要性を察知して学び始めたその先見の明こそが、現在の事務所の礎となっている 。
正解のない時代に、寄り添い、並走する覚悟
現代の労務管理に、一律の「正解」は存在しない。働き方改革が進む一方で、最低賃金の上昇に伴う給与体系の見直しや、組織の生産性を左右するハラスメント対策など、企業が直面する課題は複雑さを増している 。島守氏のもとには、日々こうした「正解のない問い」が寄せられる。
特に最近では、優秀な人材の離職を防ぐためのハラスメント対策や、社員のモチベーションに直結する報酬制度の相談が急増しているという 。
「残業してでも稼ぎたい人もいれば、プライベートを優先したい人もいる。価値観が多様化している今、一律に規制することの難しさを感じています」と島守氏は語る 。
だからこそ、彼は経営者と社員の間に立ち、双方が納得できる「ルール作り」に
心血を注ぐ 。それは、単なる法律の適用ではなく、企業の個性に合わせた「並走」に他ならない 。
自らを「働き方改革」の実験場とする
島守経営労務事務所の大きな特徴は、その組織体制にある。現在、代表を含めて24名ものスタッフが在籍し、その中には5名の社会保険労務士と2名の行政書士が含まれる 。これほど多くの資格者を抱える事務所は、青森県内でも非常に稀有な存在だ 。
彼が目指すのは、単なるアドバイザーにとどまらない「実践者」としての姿である。
「まずは自社で働き方改革を実験し、成功したものをお客様に伝えていきたい」
社員と一緒に試行錯誤しながら、ストレスのある中でも仕事を楽しめる職場環境を自ら体現する 。その実体験に基づいた説得力こそが、多くの経営者から信頼を寄せられる理由であり、事務所が地域で重宝される所以だろう 。自社の改革を通じて得た知見を惜しみなくクライアントへ還元し、地域全体の「働く」の質を底上げしようとしている。
人間にしかできない仕事を求めて
「この会社に勤めて良かった、そう言ってもらえること。それだけです」
それは自社の社員に対しても、そして顧問先の社員に対しても同じである 。
これから士業や経営の道を目指す次世代に向けて、島守氏は「人間がやるべき仕事」の本質を説く。AIやコンピューター、ロボットで代用できる単純な作業は技術に任せ、人間はよりクリエイティブで、人間同士の対話が必要な「やりがいのある仕事」に集中する 。そんな職場作りをサポートすることこそが、島守氏が考える「働き方改革」の真髄なのだ 。
「仕事の苦痛な部分を取り除き、人間がやるべき仕事をやっていく。そんな仕事をしたい方は、ぜひこの業界に来てほしい」 。
八戸の地から、人と企業の輝く未来を切り拓く島守氏の挑戦は、これからも「人」への深い信頼と共に続いていく。
