挑戦し続けて、国の未来を切り開く

株式会社ジェイテック 代表取締役社長 鈴木 克彦 静岡県浜松市出身。東北大学大学院工学研究科を修了後、1988年に日本原燃サービス株式会社(現・日本原燃株式会社)に入社。原子力安全、経営企画、品質保証など多岐にわたる業務を経験し、再処理事業部副事業部長や監査室長を歴任。2024年、株式会社ジェイテック代表取締役社長に就任。組織運営と技術革新を両立させ、原子燃料サイクルの安全・安定操業を推進している。 https://www.j-tech66.co.jp/

エネルギー政策の中核的存在

青森県上北郡六ヶ所村に本社を構える株式会社ジェイテックは、2003年に設立された原子燃料サイクル施設の運転・保守・管理を担う企業である。その事業が求めるところは同じく六ヶ所村に位置する原子燃料サイクル事業を行う日本原燃株式会社と密接に連携し、六ヶ所村の原子燃料サイクル事業の安全・安定操業を支えることにある。これは単なる企業活動ではない。国家戦略に基づくエネルギー政策の中核を担う存在であり、日本のエネルギー安全保障にとって不可欠な要素である。再処理工場やMOX燃料製造工場、濃縮工場、更には低レベル廃棄物埋設センターの保守・保全業務に加え、プラント運転の受託、放射線管理といった高度な技術力を要する業務を遂行しているのだ。さらに地域社会との共生を重視し、地元企業との連携を通じて地域の経済の発展にも寄与している企業だ。

かつて小柴昌俊は「見えないものを証明する」科学者として、日本の物理学を新たな次元へと導いた。彼はカミオカンデを用いてニュートリノを観測し、その功績によりノーベル物理学賞を受賞した。そんな彼の研究は理論と実験の融合によって新たな可能性を切り開いた賜物だったが、その精神は現代の技術者たちにも受け継がれている。

ジェイテックの代表取締役社長・鈴木克彦もまた、技術と経営の両輪を駆使しながら原子力産業の未来を切り開いている存在だ。彼は日本原燃で長年にわたり原子力事業に従事し、その後ジェイテックの舵を取ることとなった。彼の歩みは、単なるキャリアの積み重ねではない。原子燃料サイクル事業の安全・安定操業という国家の根幹を支えるという使命を背負いながら、組織の未来を見据え、新たな道を切り開いてきた男なのである。

 

仕事は“楽しく”

鈴木は静岡県浜松市出身。東北大学で原子核工学を専攻し、日本原燃に入社。原子力安全、経営企画、品質保証など多岐にわたる業務を経験し、2024年にジェイテックの代表取締役社長に就任した。

彼の経歴を見れば、単に技術者としてのキャリアを歩んできたわけではない。経営企画や事業戦略を担い、組織運営の舵取りを経験したことで、国策の根幹を担う洗練された技術者たちを率いる経営者としての視座を確立した。現場育ちではなく、このようなマネジメントの面で知見を深めて来たその経歴は、日本原燃そしてジェイテックのなかでは珍しいと語る。

新入社員時代に当時の上司から与えられ、モットーとなった「どうせやるなら仕事は楽しく」という彼の姿勢は、単なる指標ではなく、現場の士気を高め、組織の力を最大化するための哲学でもある。

 

不可欠な「JTボス通信」の存在

鈴木が特に重視するのは、組織の成長を支える「人育成」の強化だ。ジェイテックは専門技術の習得が不可欠な企業であり、そのための教育・研修制度を拡充している。新入社員だけでなく、中堅・管理職層へのリーダーシップ研修や、最新技術の導入も視野に入れた専門トレーニングを実施し、全社的なスキル向上に取り組んでいる。また、社内の風通しを良くするために、社員間の意見交換の場を積極的に設けるようにし、組織のボトムアップ改革を推進。これにより、現場のアイデアを経営に反映させ、社員一人ひとりが自らの成長を実感できる環境を整えてきている。組織の成長のためには、社員の成長が不可欠。鈴木は社員が成長を実感し、やりがいを持てる組織づくりを推進している。そのために、エンゲージメント調査を定期的に行い、社員の声を経営に反映させる試みも実施しているという。

そしてもうひとつ重視しているのは、単なる経営者としての役割にとどまらず、企業の価値観や理念を、代表という立場として広く発信することである。その象徴的な取り組みが「JTボス通信」だといえよう。これは鈴木自身が執筆し、社員だけでなく外部にも公開しているブログであり、会社HPから誰でも見ることができる。驚くべきことにその中は単なる情報発信にとどまらず、彼の思考や企業の方向性を共有する場となっている。

「前任の社長が始めたものであり、私のキャラに合わないなと感じていたということもあって、本当は就任当初に引き継ぐつもりはなかったんです。でも社員の熱い思いに圧倒されてしまって…じゃあやるか、と(笑)。」そう朗らかに語る鈴木からは想像できないほどこのブログは頻繁に更新されており、その一つ一つに経営の哲学、業界の動向、社員へのメッセージなど多岐にわたる内容が展開されている。今では、ネタを思いつけばその場でメモをするクセがつくようになったと語る鈴木。メモの権化とも言える鈴木代表のその熱量は、まさに現場組織を活性化させる原動力となっている。

 

未来を切り開く唯一の方法

ジェイテックの未来は、単なる現状維持ではない。六ヶ所村の原子燃料サイクル事業の業務拡大に加え、他の原子力施設や一般産業分野への技術力の展開など、さらなる成長と発展を見据えている。さらにドローン技術を活用した点検業務や、レーザー光を利用した保全、ICT技術の活用といった、従来の枠にとらわれない技術革新を推進するべき存在として日々活躍している。

そしてジェイテックとして、親会社である日本原燃に対して、受け身ではなく積極的に意見を述べる姿勢を貫くことも忘れてはいけないと鈴木は語る。これは決して闘うということではない。契約関係に縛られがちな関係性の中で、単なる下請けとして待ち構えてしまうとグループ全体の目的を達成することは不可能だ。だから、鈴木率いるジェイテックは「対等なパートナー」としての立場を確立することを目指している。そのために、単なる業務遂行企業ではなく、独自の技術力と視点をもつ組織として成長を続けている。

小柴昌俊がニュートリノ観測という未知の領域を切り開いたように、ジェイテックは原子力業界という大きなフィールドで、果敢に未来を切り開いていると言っても過言ではないだろう。ジェイテックは単なる企業ではなく、日本のエネルギー政策の中核を担い、地域社会とともに成長する青森に欠かせない存在だ。

鈴木の視線の先には、原子力の未来、地域社会の発展、そして組織の新たな可能性が広がっている。その航路は未知なる科学の世界へと続いているが、彼は確かな信念と経験を武器に、新たな歴史を刻んでいくに違いない。「技術者であれ経営者であれ、どんな分野に進んでも現状に満足してしまえば成長は止まります。挑戦し続けることが、未来を切り開く唯一の方法です。」そう語る鈴木、そしてジェイテックの挑戦は続く。

 

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